日本で唯一の宇宙天気予報センター
太陽は地球に最も近い恒星であり、その活動は様々な形で私たちの生活に影響を与えています。
太陽は約46億年の長きにわたり輝き続けていますが、これは水素がヘリウムに変わる核融合によって熱と光を出していることが知られています。この天然の核融合炉に対して地球は2つの強固な防護壁を持っています。
一つは地球の持つ磁場であり、磁気圏(じきけん)と呼ばれています。これが太陽からくる太陽風と呼ばれる電気を帯びた高温の気体が地球表面に届くのを防いでいます。
もう一つは地球の大気(超高層大気)であり、X線や紫外線が地表に届くのを防いでいます。これら2つのバリアが太陽活動から生命を守ってくれています。
ただし、太陽活動の状態によっては、この磁場のバリアをすり抜け、その一部が地球近くにまで到達することがあります。これにより特に、人工衛星や地上の通信・放送インフラに大きな影響があることが知られています。特に近年では、人工衛星による測位への影響が問題となってきています。
我々情報通信研究機構では、1988年以来「宇宙天気」を業務として継続的に情報提供を行うとともに、宇宙天気予報精度の向上のための研究として観測装置の開発やシミュレーション技術の開発を行っています。
宇宙環境研究室長 津川 卓也
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